米国株反発で+40%説も!ドル円は136円突破!円安はさらに進む?
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
昨夜、米国市場は反発しました。円安も重なって、円換算だと大きな反発になりますね。
S&P500は+2.45%の大幅高になりました。前日は米国市場がお休みだったものの、先物が結構上げていましたからね。ただ年初来ではまだ20%を切った弱気相場の状態で、-21.51%です。
S&P500では、とくにエネルギーなどズドンしていた銘柄の回復が著しいですね。
エネルギーセクターETFのVDEは前日比で+5.06%と大きな上げです。
高配当ETF御三家のVYMは前日比で+2.47%、HDVも+2.86%、我らがSPYDも+2.23%となりました。この中だとHDVの戻りが一番強いですね。SPYDは思ったほど戻らなかったかなという感じです。
NASDAQのほうも+2.51%の上げです。ただこちらも年初来からの下げは30%を切ったままで、-30.09%になっています。
ただS&P500もNASDAQも、以前とおなじようなだまし上げ状態になるかもしれません。
実際どうなるかはわかりませんが、上がったときに弱い銘柄をいったん損出ししておくというのも一つの手とは思います。
ただ利益が出ていなければ、損出しする必要はありませんけどね。
損出しについてはこちらを参照してください。
ちなみに損出しの逆の益出しについてはこちらを参照してください。
損出しは年内にやらないといけませんが、益出しは損失の3年繰り越しができるので、急ぐ必要はないかと思います。
利益はしっかり伸ばしておいたほうがいいですね。それでは今後のドル円と米国市場の動きを見ていきましょう。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
S&P500 +40%説
今回の上げについては、バイデン大統領が「米国のリセッション(景気後退)が不可避ではない」との見解を示したことも、投資家心理に影響したかと思います。
これを援護射撃するかのように、アメリカの名門投資銀行オッペンハイマーのチーフ投資ストラテジスト、ジョン・ストルツファス氏は、
「米金融当局は自らの行動が経済に及ぼす影響に一段と敏感になっていると思うので、リセッション(景気後退)は回避できる可能性がある」
との見方を示しました。
さらに「S&P500は21日の上昇後もさらに40%程度上昇する」との強気の見方も示し、年初に予想したS&P500の目標である5330を崩しませんでした。
いま3700ぐらいですから、年末までに5330はけっこうな強気ですね。それぐらい増えてくれればうれしいですけどね。
ストルツファス氏の理論としては、
「米金融当局がインフレを抑え、さらにサプライチェーンも緩和される見通しから、上げが来る」
という考えですね。
さらに言うと、モデルケースとして2009年の動きを挙げています。
この年は、年初から3月あたりまで-26%ほど下げましたが、そのあとで年末に向かって+60%以上と大きな上げになっています。これで計算すると、
「年末まで+40%ぐらい大したことないんじゃね?過去に+60%以上上がったケースがあるし」
という話になるわけです。適当なことを言っているわけではなく、過去の事例に照らしての話ですね。
ただこの2009年という時期はリーマンショックの後半でして、時間を少し長く取るとこうなります。
さっき見せた範囲は青色のあたりですね。
ぶっちゃけその前に50%以上は落ちています。
2009年だけ切り取れば先程の話になりますが、今の時期がリーマンショックでいうところのまだ前半だとすると、底打ちはまだ先かなとも考えられます。
リセッションの可能性がぬぐえたわけではなく、正直なところ見通しは不安定ですね。
そもそもインフレがどうにもなっていませんし、ウクライナ問題や中国のゼロコロナ問題も解決したわけではありませんしね。この三重苦のうちのどれかでも解決してくれればいいのですけどね。
投資銀行の場合、ポジショントークもあるとは思いますね。
Q太郎はITバブルのころに某メリルなんたらの投資判断でけっこうひどい目にあったことがあるので、基本この手の話は話半分に聞くことにしています。ぶっちゃけ投資銀行の話を聞いてろくなことがあったためしがないです。
向こうとしては、投資してもらわないと商売になりませんし、当然景気のいいことをいうのもあたりまえとは思います。「やばいから売れ」だと資金が逃げてしまいますしね。
日本の証券会社は、「やばいから売って、こっち買ってください」と手数料の2重取りしてくるやり手の証券マンもいますね。商売ですしね。
現在のQ太郎は年齢的にも、リターン取るよりリスク管理重視のスタイルです。「売ったあとで上がった」とか、まったく気にしない派です。そのときのリスク管理がちゃんとできていれば損はしませんしね。
さて、2万ドル割れが話題になっていたビットコインのほうですが、今回の米国市場の上げで2万ドル台を回復しました。これも底入れなのかどうなのかといったところですね。
ドル円の動きと円安懸念
そして米国投資の味方である円安ですが、ドル円は円安の方向に進んでいます。
136円を突破して、どこまで行くかといったところですね。
円安が進めば、仮に米国市場のほうが不調でも、円換算でプラスになっていたりしますしね。
日本の金融緩和
当の岸田総理ですが、現在のところは金融緩和策の維持を支持しています。
そもそも今の日本は、金融緩和でドーピングを続けているような状況です。
下手に利上げをしたばあい、潰れる会社も多くなるでしょう。
本当は潰れるところは潰れてもらって、力のある会社に人材やシェアを吸収してもらったほうが長期的にはうまくいくとは思いますが、日本は世界的には「成功した社会主義国家」なので、そういうわけにもいきません。
金融緩和やETFの買付で何とかしているような状況ですから、止めるにも止めようがないといったところです。
いまでは日銀が国内株式の最大保有者になっていますしね。
問題として、アメリカをはじめとする各国が痛みをともなう利上げをおこなっている中で、日本だけ金融緩和で都合よく逃げていけるのかといったところですね。
アメリカの利上げ
現在の状況をまとめると、アメリカは3月に0.25%、5月に0.5%、6月に0.75%と、合わせて1.5%の利上げをおこなっていきました。
現在の金利は1.5~1.75%になっています。
アメリカが利上げをおこなえるのは、景気が悪くないからです。それで企業がバンバン金を借りると経済が過熱してインフレが進んでしまうので、それを抑えるために、利上げで金を借りにくくしなければいけないのですね。
ただこれには経済停滞がともなうので、場合によってはリセッション入りするリスクもあります。
一方の日本ですが、低金利政策を続けています。日銀の金利上限は0.25%となっていますね。
そうなると、現在のアメリカとの差は1.5%ほどありますし、今後もこのままだとこれが拡大していくので、円安方向へは進みやすくなります。
今後も上げ下げしながら円安の方向へ進むかなとは思います。
長期チャートで見る円高懸念
ただ長期チャートを見てもらえばわかるように、1998~1999年当時は145円まで急激に上がってから反転。
長期に渡ってずっと円高トレンドが続いた流れがあります。
単純にこのまま円安がどんどん続いていくという展開になるともかぎりません。
とくに7月は参院選が控えていますし、いま物価高で政府は批判を受けています。
票を取るために岸田総理がなにかしらの動きを見せてくる可能性もあります。
それと今後、アメリカのリセッションが進んだばあい、円高の方向に触れる可能性は高くなります。年末から来年にかけては注意が必要かなとは思います。
ただ長期的には、日本の力自体が弱くなっているので、円安トレンドは避けられないかなとは思います。
実質実効為替レート
通貨の実力を示す「実質実効為替レート」で考えると、国際決済銀行(BIS)の発表では今年4月で60.91と、計算の対象となっている60カ国中59番目という50年ぶりの低水準になっています。
ちなみに最下位は、みんな大好きトルコリラの47.8です。一時期、日本でトルコリラ預金が流行っていましたね。
まとめとQ太郎の見解
そんなわけでまとめると、
・そもそもの日本の国力が落ちている。長期的に円安の方向には進む可能性は高い。
・ただ日本の政策転換や、アメリカのリセッションによって円高に進む可能性もある。円安一辺倒で動くとはかぎらない
ということですね。
円安には進むとは思いますが、あまり過信せずに様子を見ていくのがいいかなとは思います。
ただ円安はやはり米国株投資にとっては追い風になるので、Q太郎的には円安に進んでくれたほうがありがたいですけどね。