CPIショックで米国株暴落!次回大幅利上げも【米国株投資】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
昨日、消費者物価指数、CPIの発表がありました。
予想を上回る伸びであったことから、インフレ懸念で米国市場はズドンしました。
S&P500は前日比で-4.32%、NASDAQは-5.16%と、コロナショック以来の大幅な下げになっています。
今回は8月CPIについてと、今後の米国市場の動向についてです。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから。
CPIショック
さて、昨日発表された8月の消費者物価指数CPIです。CPI自体についてはこちらを参照してください。
CPIはインフレ指標であり、これが高止まりすると利上げが延々と続くことになり、米国株もだらだらと落ちていくというあまりよろしくない状況になります。
それで総合CPIは、前月から下がるかと思われていましたが、結果上がってしまいました。
予想では前月比で-0.1%とインフレが少しおさまる方向への予想だったのですが、結果は+0.1%上昇と全然インフレがおさまっていないどころか上がっているとサプライズになりました。
さらに前年同月比では+8.3%と、予想の+8.1%を0.2%も上回っています。
インフレ退治は相当時間がかかるということが明らかになったようなものですね。
変動の大きなエネルギーと食品を省いたコアCPIですが、こちらも前月比で0.6%上昇と、予想の0.3%上昇をダブルスコアで上回っています。
前年同月比では6.3%上昇と、市場予想の6.1%上昇を上回りました。
市場がいかに楽観的だったかということが証明されたようなものです。
これで今月のFOMCでの利上げ幅は0.75%は確実、下手すれば1%行くんじゃないかという流れになってきています。
さらにいえば、11月のFOMCでの利上げも0.5%と言われていましたが、この状況だとさらに0.75%の可能性も出てきましたね。
CPIの内訳
CPIの内訳を見てみますと、やはり伸びがきついのが食品です。前年同月比で11.4%上昇と、1979年以来の大きな伸びになっています。
食品コストの増加は一般市民にとってもっともわかりやすいですから、政府批判にも直結してしまうのですね。日本も似たような状況ですね。
CPIの3分の1を占める住居費は前月比で+0.7%、前年同月比で+6.2%とこちらも高止まりしています。
一方でガソリン価格は下がっていますね。前月比で10.6%低下し、過去2年余りで最大の下げとなりました。リセッション懸念でエネルギー需要は下がるという予想になっていますね。
ただ電気代は前年同月比で15.8%上昇、1981年以来の高い伸び率となりました。
わかりやすいところがインフレすると、国民も気付いてしまうため、やはり政権への直接ダメージになります。
当然、バイデン大統領の支持率は下がっており、11月の中間選挙がヤバイみたいな状況になっていますね。
ちなみにアメリカは賃金が上がっているとはいえ、インフレ率を引いた実質賃金自体は落ちています。
今回のCPIについてブルームバーグのアナ・ウォン氏は、
「ガソリン値下がりで他の価格も下がると多くが見込んでいたが、コアCPIが驚くほど強かった。米金融当局者はすでに賃金・物価スパイラルに強い懸念を持っており、2023年前半も利上げを継続する公算が大きい」
と述べています。
来年も利上げが続くのであれば、米国株は来年までだらだらと落ちていくような展開になっていくとは思います。
金利が高ければ、株買うより銀行にあずけたほうがリスクが低いですしね。S&P500の今後の成長が年間4%ぐらいだといわれていますし、銀行にあずけただけで4%だったら、Q太郎も普通に銀行にあずけます。
日本もバブル期は、銀行にあずけただけで5%とかありましたしね。
円安方向へ
インフレ退治でアメリカの金利が上がる以上、当然円安は進みます。
ドル円は1ドル142円台から一気に144円台へと上がりました。今後は145円を突破できるかどうかといったところに注目です。
本日、神田真人財務官は
「足元の動きは急激であり、憂慮している。緊張感を持って監視し、あらゆるオプションを排除せずに適切な対応をしたい」
と述べました。
ただドル売り介入したところで対して効果がないのは、ITバブル時に証明されてしまっていますので、あまりできることはないかなとは思います。ITバブル時のドル円についてはこちらを参照してください。
しかし米国のリセッションは円高を引き起こす可能性も高いので、円安バリアの効果がなくなると、米国株投資は円高+株安のダブルパンチになるので、けっこうきつい状態になるとは思います。
米国株の暴落
米国市場ですが、今回のCPIサプライズを受けてズドンしました。S&P500はコロナショック以来最大の大陰線ですね。
ダブルライン・キャピタルのCEO、ジェフリー・ガンドラック氏は
「利上げの効果を検証するには休止期間も必要。それをせずに利上げを続けるのは米経済にオーバーステアをひきおこす」
と警告しています。
ガンドラック氏は、「S&P500が10月半ばまでに20%下落する」として、最終的には3000まで下げると予想しています。現在3932ですから、あと24%ぐらいの下落ですね。チャートで見ると、3000はけっこう深い位置ですね。
まとめとQ太郎の見解
インフレがおさまらないということは今回のCPIで明らかになったので、今後も利上げと、米国株のだらだら安が長期間続いていく可能性も出てきました。
金融緩和はいっさいできませんので、コロナショック時のような急激な回復はありえないと思った方が良いでしょう。
一方、今回のCPIは暗号資産にも影響が出ており、ビットコインは10%ほど、イーサリアムは9%ほどズドンしました。
けっきょく金利と連動する動きだと、暗号資産は株のヘッジにまったくなっていないということにもなりますね。
ゴールドも債券も下がりますし、けっきょく何でもかんでも金利次第ということになります。分散投資の意味がまったくない状況です。
「落ちるナイフは受け止めるな」の格言通り、しばらくは様子見ですね。
ただ高配当投資にとっては、安くなったところは買い場にもなりますので、忍耐強く反転を待つのがいいかと思います。
長期投資については、淡々と毎月積み立てでいいとは思います。安くなれば、そのぶん安く買えますしね。