米国長期社債ETF「VCLT」メリット・デメリット3選【米国ETF投資】

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QYLD全力太郎ことQ太郎です。

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債券利回りの上昇は続き、2年債に続いて10年債も4%を突破した状態になりました。

9月CPI発表でアメリカのインフレが思いのほかしぶとかったことから、次回11月FOMCの0.75%利上げはほぼ確実、12月も0.75%になるんじゃないかという話になってきています。9月CPIについては前回を参照してください。

金利も4~5%当たり前になりそうなので、こんな状況だと株や債券を買うよりも銀行に預けたほうが低リスクという話になり、リスク資産には厳しい環境になります。

今回は前からリクエストのあった米国長期社債ETF『VCLT』についてと、そのメリット・デメリットです。本記事をYouTube動画で観たい方はこちらのリンクから

 

米国長期社債ETF「VCLT」

それでは社債ETF「VCLT」についてです。

Vがついているので、発行しているのはVTIのヴァンガード社ですね。

10年超の長期社債に分散投資しているETFです。AT&TとかGE(ゼネラル・エレクトリック)とかですね。

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安全性についてですが、BNDやAGGは国債中心の安全性が高い債券を組み合わせているのに対して、こちらはAとBBBがほぼ全体を占めています。

ちなみにBBB以上であれば投資適格格付けなので、相当やばいというわけではありません。BB以下になると、投資から投機的格付けに変わります。いわゆるハイイールド債やジャンク債と呼ばれるものですね。

当然リスクが高ければ高いほど、利回りも高くなります。VCLTはそのギリギリのところを狙った形になっていますね。

純資産総額ですが、約43億ドルと、流動性に関しては現在のところ問題のない金額です。

経費率は0.04%と、この安さはさすがヴァンガード社といったところですね。

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株価のほうですが、年初来-31.89%と、QQQ並みに落ちています。債券ETFにしては、AGGなどと比べるとけっこうボラティリティがありますね。そのぶん、分配金利回りは4.5%まで上がっていますね。ちなみに毎月分配です。

インフレになるとまず投げ売りされてしまうのが高利回りの債券ですので、そのかっこうの的になったという感じです。

メリット

メリットとしては、いまのところ分配金利回りは4.5%ほどまで上がっているということでしょう。

ただボラティリティ自体は高いですし、今後もさらに利上げが続くと、さらに落ち込む可能性もあります。

債券といえども動きは激しいので、株式投資に近い感じがありますね。

もともと債券市場自体が低金利でバブル状態だったので、それがはじけてしまっているような状況です。

メリット2つ目は経費率が安いことです。0.04%はさすがの安さですね。

メリット3つ目は、複数の社債に分散投資できることです。長期社債はアクセスしにくいので、手軽に帰るのは悪くないとは思います。

デメリット

デメリットですが、やはりインフレ時の高金利への弱さですね。

銀行に預けるだけで4~5%レベルになってくると、社債の高利回りのメリットもなくなるので、銀行よりメリットのある利回りになるまで株価は落ち続けることになります。高金利で叩き売られる運命にありますね。

デメリット2つ目ですが、ボラティリティの高さですね。

AGGのトータルリターンのばらつきが3.8%だとすると、VCLTは10%あります。VTIは15.2%なので、株よりは抑えられていますが、国債と比べるとけっこう高めになります。

ちなみに優先株ETFのPFF/PFFDが8.5%ぐらいなので、PFFよりはばらつき大きいことになりますね。

デメリット3つ目ですが、分配金が右肩下がりです。

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パッと見ただけでもわかるレベルで右肩下がりですね。

高金利になると企業業績が悪くなったり、最悪倒産もありますので、利息が払いきれずに不良債権化する可能性もあります。

あくまで社債ですから、国債と比べるとリスクは高くなりますね。

 

まとめとQ太郎の見解

そんなまとめると、メリットは

・高利回り(4.5%)
・低経費率(0.04%)
・社債への分散投資

ができることです。

デメリットは、

・インフレに弱い
・高ボラティリティ
・分配金が右肩下がり

といったところです。

今はインフレで、今後さらなる利上げがある可能性もあるので、さらに株価が落ちる可能性もあります。

購入するばあいも一気に資金投入せず、時間分散で様子見ながら買うのがいいかなとは思います。