米国債券ETF投資の買い時はいつ?【BND/AGG/TLT/BLV】

債券ETF債券, 投資お役立ち情報

BND AGG

QYLD全力太郎ことQ太郎です。

最近は米国市場が上がっていますが、下げトレンドでの半値戻しが一番怖いところです。

10%以上戻したあとに、30~50%の大きな下げがくるというパターンは、ITバブルやリーマンショックのどちらでも見られた現象なので、強気にいける時期ではないかなとは思います。

SP500

S&P500は前日比で+1.84%、年初来では-12%です。

つぎの抵抗線になりそうなところが4400あたりですが、いわゆる半値戻しラインにもなりますね。

底値が4000、上が4800とすると、ここが4400あたりなので、ちょうど半値戻しといったところでしょう。

このあとの大きなズドンを警戒しつつ、あまり強気にならないほうがいいかなとは思います。

NASDAQ

NASDAQのほうは前日比で+1.67%、S&P500に比べると弱いですね。年初来では-23.54%です。次は160あたりが抵抗線になりそうですね。

正直、金利が最終的にどれぐらいなのかわからない以上、株価は上がったり下がったりみたいな動きになるとは思います。

それで金利と一番関係が強いのが債券です。

金利が上がれば現金を銀行に預けていたほうがリスクが少ないので債券価格は落ちますし、逆に金利が下がれば債券から配当をもらったほういいので債券価格は上がります。

それで現在は金利が上がる方向なので、必然的に債券ETFの価格は下がっていきます。そのぶん、分配金は上がりますね。

うまく低価格で拾えれば、分配金も多くて安く買えるというところですね。

今回は債券ETFのBND/AGG/TLT/BLVの買い時を考えていきましょう。

 

債券ETFの現状と今後

さて債券ETFですが、以前にもいくつか記事をアップしています。

AGGとBNDの比較についてはこちらを参照してください。

また債券自体のリスクについては、こちらを参照してください。

それと債券に似たようなものとして、優先株というものがあります。議決権が制限される代わりに、配当が多くもらえるというものですね。

普通は大口が買うものなので一般で買うのは難しいですが、それらをまとめたETFのPFFやPFFDが販売されているので、こちらを使って間接的に投資することになります。詳しくはこちらを参照してください。

ちなみに現在のPFFDの利回りは5.8%ほどあります。債券とおなじようなものなので分配金の安定度は高く、昨年から同じ金額が支払われていますね。

株価が落ちればその分利回りも高くなります。このあたりの性質は、QYLDなどカバードコール商品とは違います。カバードコール商品は、株価が落ちれば分配金もそのまま落ちますしね。

それでは債券ETFを見ていきましょう。

BND

BND

BNDは年初来で-9.41%と債券とは思えないボラティリティで下げてきました。

ただ5月過ぎからは、ゆるやかな上昇トレンドに入ってきていますね。

現在、分配金利回りは1.9%ほどです。

AGG

AGG

次にAGGですが、年初来で-9.10%です。こちらも5月過ぎから上昇トレンドに入ってきています。

というか、BNDと中身がほとんど似たようなものなのでおなじような動きをしますね。

こちらも分配金利回りが1.9%ほどです。

ちなみにBNDとAGG、どちらがいいかですが、楽天証券とSBI証券だとAGGの取引手数料が無料になりましたので、いまはAGGをおすすめします。

債券ETFは利益も大きくはないので、取引手数料無料はけっこう大きいですね。片道0.5%かかりますしね。

BLV

BLV

10年超債券のETFであるBLVですが、年初来で-18.86%と、債券とは思えない値動きを見せています。

「Nasdaqかよ」と突っ込みたくなるぐらい落ちました。

ただ5月に入ってからはボラティリティがゆるやかになり、上昇傾向になっていますね。

分配金利回りは3.2%ほどです。

TLT

そして債券ETF界の暴れ馬、20年超債券ETFのTLTですが、年初来で-19.42%と、NASDAQレベルのボラティリティです。

分配金利回りは1.95%ほどで、BNDとおなじレベルです。

ただこちらはキャピタルで稼ぐ感じですね。

トレンド的には、こちらも5月過ぎごろから上昇トレンドに入ってきています。

債券ETFの比較

この状況で投資していいのかどうかという話ですが、そもそもの利上げがどれぐらいなのかがまだ不確かなため、安全をとるのであれば利上げがあるていど終わってからのほうがいいかなとは思います。

TLTやBLVはもともとボラティリティが高いので、株のようにうねりを取る買い方をしてもいいとは思うのですが、問題はBNDやAGGのほうですね。

こちらを買う人は、どちらかといえば安定を求める人だとは思います。

chart

これはBND(青)、TLT(赤)、BLV(黄)を再投資有りで比較したチャートです。

ぱっと見ただけでTLTとBLVのボラティリティの高さがわかるかと思います。

BNDがなだらかなのに対して、他の2つは値動きがけっこう大きいのですね。

BNDのばらつきが3.93%と債券らしい低さなのに対して、BLVは10.41%、TLTにいたっては14.14%とけっこうな差があります。

TLTは三尊天井みたいな形にもなっていますね。もはや株と同じあつかいでもいいかなとは思います。

 

債券ETFに投資していい時期は?

たぶん債券投資をしたい人は、BNDのようななだらかな展開を求めているのだとは思います。

しかし金利が定まらない以上、利上げ中はBNDでも年初来からの高ボラティリティな展開がつづくとは思います。

債券は金利ですべてが決まるようなものですからね。

もう一つ、債券のボラティリティを高くしているものがあります。それはドル円の為替です。

最近とくに為替のボラティリティが大きいです。

ドルで購入するのでしたらべつにいいのですが、円から購入したばあい、分配金2%ぐらいのBNDやAGGだと、低いリターンに対して現時点での為替リスクは大きめかなとは思います。

最近とくにドル円の動きが激しすぎて、ボラティリティを抑えた投資という意味での債券投資には、環境的にあまりよくないかなとは思います。

じゃあ、どんなときに買ったらいいのかといえば、現在のボラティリティがおさまってきたときですね。

リターンとのバランスを考えると、少なくとも利上げがあるていど終わって、方向性が見えてきて、ボラティリティがおさまってきてからのほうが安全かなとは思います。

ドルがあまっていたら打診買いで少し買ってもいいとは思いますが、円から買う場合は、いまの為替のボラティリティでBNDなどを買うのは、リターンを簡単に帳消しにしてしまう可能性が高いです。

安全のための投資という意味ではあまりおすすめしません。

 

まとめとQ太郎の見解

いまは金利も為替も高ボラティリティです。

TLTやBLVは株のようにまだ短期的なうねりが取れますが、リターンの少ないBNDやAGGだと、高ボラティリティの状況はあまり好ましい投資環境ではないとは思います。

利上げもまだ始まったばかりなので、安全を求めるのであれば、市場がおだやかになったときに投資するのがいいでしょう。

もともと安全志向の人のための投資ですしね。