【S&P500】CPI発表後に下落も、PPI発表後は大きく上昇【米国株投資】
QYLD全力太郎ことQ太郎です。
12日に米消費者物価指数(CPI)発表があり、S&P500は下落したものの、昨日の米生産者物価指数(PPI)の発表で1.33%の大きな上昇となりました。
PPIのほうはコロナショック以降の大きな落ち込みとなり、インフレ懸念が後退したことからの株価上げとなっています。
またドル円のほうは、今後の利上げ停止や利下げを織り込みはじめての円高方向へと進んでいます。前日までは133円台でしたが、現在は132円台半ばぐらいですね。
そんなわけで今回は、発表された3月CPI・PPIの内容と、今後の米国市場についてです。
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3月米CPI・PPI
さて、発表された3月の米消費者物価指数(CPI)と、の米生産者物価指数(PPI)です。
CPI
12日に発表されたCPIのほうですが、前年同月比で5.0%上昇と、市場予想の5.1%を下回りました。ただ目標が2%なので、まだまだ高い状況には違いありません。
エネルギーと食品を抜いたコアCPIのほうは前年同月比で5.6%の上昇と、こちらは市場予想と同じ数字になりました。
ただ5%以上の数字が出ている以上、FRBの2%目標まではまだまだ遠いため、利上げを思いとどまらせるほどの材料にはならないことから、発表後にS&P500は下落しました。
PPI
そして昨日、米生産者物価指数(PPI)が発表されました。こちらは企業側での原材料コストとかの指数ですね。
CPIは我々消費者側のインフレ指数ですが、PPIは企業側がどれぐらいコスト高を食らっているかの、企業側のインフレ指数です。
それでPPIは前年同月比で2.7%の上昇、市場予想の3.0%を下回りました。
食品とエネルギーを除くコアPPIは前年同月比では3.4%上昇と、こちらは市場予想とおなじになりました。
PPIの落ち込みの大きな要因としては、やはりガソリン価格ですね。
ただ今月に入ってからOPECプラスによるサプライズ減産の発表があったことから、原油価格はしばらく高止まりするものと思われます。そのため、来月以降も順調に数値が下がり続けるというのは難しいでしょう。
思いのほか低下したPPIの発表を受け、インフレ懸念がやわらいだことから、S&P500は前日比で1.59%の大きな上昇となりました。
今回の予想を下回ったPPIの結果を受けて、「次回の5月FOMCが最後の利上げになるのではないか」と、利上げ終了への期待が高まってきています。
まとめ
リサーチ・アフィリエーツのクエ・グエン氏は
「インフレは上振れサプライズになっておらず、雇用市場は安定している。従って、インフレは減速するが景気は崩れない『ゴルディロックス』(適切な温度)になる」
との楽観的見通し、株式市場に対しては強気の姿勢です。
ただ問題としては、やはり今月のサプライズ減産ですね。
米国の原油在庫減少と中国の輸入増加を受けて、グローバル市場はタイトな状況になっています。
エネルギー価格が高止まりする可能性が高く、来月以降のCPIやPPIの数値がまた上がる可能性もあります。
良くなってきたと思ったら、また別のアクシデントが入ってくるという状況が続いているので、年末にかけてまた一波乱ありそうな気もします。
ちなみにETFを運用するポートフォリオマネージャーの8割が、今年中にリセッション(景気後退)がくることを予想しています。
中国の動向
コロナ規制解禁後の中国ですが、経済が戻ると思われていた矢先、ソフトバンクグループとプロサスが中国投資を引き上げるとのニュースが今日ありました。
ソフトバンクグループは中国のアリババに出資していましたが、現在はアリババ株をすべて処分する方向に動いているようです。
テンセントに出資していたプロサスも、40億ドルあまりの保有株式を売却する方向で動いています。
中国政府はテクノロジー企業への締め付けを今後緩和すると発表していますが、正直なところ、どこまで信用できるかわかりません。
ただ米国市場に上場しているアリババやテンセント株はむしろ上がっている状況なので、出資停止のニュースはそれほど大きなダメージにはなっていないかもしれません。
何にしろ波乱だらけの米国市場なので、今年は時間分散での投資をしたほうが安全とは思います。